海運バブル コロナ最高益の不安#5Photo:123RF

かつて世界を席巻した日本の造船業だが、1970年代のオイルショックを機に減退し、今や中国、韓国勢の牙城である。特集『海運バブル “コロナ最高益”の不安』(全8回)の#5では、温室効果ガス排出ゼロの流れに乗って日本勢が逆転し得るのか検証する。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

今や自力でLNG燃料船も造れない?
中韓に敗れたままの日本造船業の課題とは

 かつて日本を代表する製造業の一つだった造船業。しかし産業構造の変化により、その地位を中国や韓国に奪われて久しい。

 とはいえ、日本の貿易に占める海上輸送の割合は、重量ベースで約99.6%だ。海に四方を囲まれた島国であるから当然なのだが、それ故に日本では海運業とともに造船業が発達してきた。

 海運が今なお、日本人の生活を支えていることに変わりはないが、造船の世界シェアははるか昔に中国、韓国に追い抜かれ、日本の海運大手は中韓の造船メーカーに多くを発注しているのが現状だ。

 海運の国内最大手である日本郵船の長澤仁志社長は「今や日本では、LNG(液化天然ガス)運搬船を誰も造れない。国家安全保障の観点から見ても問題ではないか」と指摘する。

 折しも海運業界は温室効果ガスの削減を求められ、原油に代わる燃料を模索する。これは当然、大きな技術革新を必要とするため、世界の造船業界にも変化を迫っている。

 日本の造船メーカーがこの一大変化を奇貨として、中韓に奪われたシェアを取り戻すことができるのか。次ページでは、今治造船が主導する造船大再編の最新動向と、「日中韓」バトルロイヤルの行方を検証する。