パナソニックホールディングスの楠見雄規社長パナソニックホールディングスの楠見雄規社長 写真:つのだよしお/アフロ

4月1日にパナソニックホールディングス(HD)が発足し、21年に就任した楠見雄規社長を支える体制が本格始動した。9年ぶりの大規模な組織改編だが、その布陣は「創業家を除く最長政権」を築いた前任の津賀一宏氏のカラーが色濃く残っている。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

津賀社長時代の布陣を踏襲
楠見人事は「来年以降」に持ち越し

 4月1日付で持ち株会社パナソニックHDの始動とともに傘下に発足したのが、白物家電や車載電池、企業向けシステム、電子部品など八つの事業会社だ。楠見氏はHDの初代社長に就任し、傘下の事業会社の社長が支える体制が整った。

 新たな体制の顔ぶれは、津賀前政権を支えた幹部がほとんど。楠見氏は、津賀氏から持ち株会社という「器」を譲り受けただけでなく、前政権の布陣を「居抜き」で踏襲した。

 楠見氏は社長就任から「2年間で成長事業を見極める」と述べている。それまでは現行の体制を維持し、独自の人事を差配するのは早くても来年の「役員人事発表」以降になるだろう。

 では、楠見社長“肝煎り”の人事体制を構築する際に、どのようなメンバーが登用されるのか。次ページ以降では、“未完”の楠見体制の人事の行方を予想してみよう。