働き方が多様化している

 最後は、これらの変化の結果として、私たちの働き方が多様化していることです。

 プロフェッショナル1.0の時代には、所属している組織のミッションを達成するためのパフォーマンスを発揮することが求められていました。メンバーシップ型やジョブ型といった働き方がそれに当たります。

 それに対してプロフェッショナル2.0の時代には、各人が自らミッションを設定して、他者と共創することで成果を出すことが求められます

 例えば、読者のまわりにも地方都市に引っ越してフリーランサーとしてリモート環境で複数のプロジェクトに従事している人がいるのではないでしょうか。

 また、ブロガーやYouTuberとして他者とコラボレーションした内容を発信することで、副業収入を得ている人もいるのではないでしょうか。

 戦後の日本は、米国というゴールに最短でたどり着くために血のにじむような努力をして、工業化社会においては確固たる地位を築きました。

 しかし、その過程で作り上げた業界ごとの系列、企業内の縦割り組織や人事制度、また一つの正解を求めることに特化した学校教育に至るまで、いまではすべてが足かせとなりつつあります。

 これからの時代を生き抜いていくには、国や企業に頼るのではなく、自らプロフェッショナル2.0として必要なアジャイル仕事術を身につけるしかありません。

坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。日本コカ・コーラを経て、創業期のリヴァンプ入社。アパレル企業、ファストフードチェーン、システム会社などへのハンズオン支援(事業計画立案・実行、M&A、資金調達など)に従事。その後、支援先のシステム会社にリヴァンプから転籍して代表取締役に就任。退任後、経営共創基盤(IGPI)に入社。
2013年にIGPIシンガポールを立ち上げるためシンガポールに拠点を移す。
現在は3拠点、8国籍のチームで日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。
IGPIグループを日本発のグローバルファームにすることが人生の目標。
細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。
超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、2022年6月29日発売)が初の単著。