動乱の少額短期保険#1Photo:Eskay Lim/EyeEm/gettyimages

少額短期保険市場の“御三家”といえば、SBI、全管協、東京海上の3グループ。だが、そこへ光通信が買収攻勢で肉薄していることが分かった。特集『動乱の少額短期保険 115社ランキング』(全5回)の#1では、少額短期保険業者として登録している全115社の2021年度決算を基にした、最新版「保険料」総合ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

生保・損保の王者が相次いで参入
動乱期に突入した少額短期保険

 昨年来、生命保険・損害保険業界から熱い視線が注がれている少額短期保険(少短)。この“少短熱”は、まだまだ冷めることはなさそうだ。

 というのも2022年度には、すでに少短市場に参入している住友生命保険と第一生命保険を追うように、生保王者の日本生命保険が新規参入。損保からも、シェアトップの東京海上日動火災保険が今年度中に新たな少短子会社を始動させる予定なのだ。

 そんな活況を反映して、少短市場全体の21年度の収入保険料は前年度比8%増の1277億円に到達。「家財」「ペット」「生保・医療」「費用・その他」の主要4分野それぞれが成長を遂げているが、とりわけ「ペット」「生保・医療」の2分野は、収入保険料が前年度比18%増と、市場をけん引している。保有契約件数も同10%増の1054万件と、ついに大台を突破した。

 少短の商品は、保険金が1000万円以下、保険期間が1~2年以内と、文字通り「少額」な保険金で「短期」の保険期間が最大の特徴。別名「ミニ保険」とも呼ばれる。

 商品が“ミニ”であるが故に、通常の生保商品のような金融庁の認可は必要なく、基本的に財務局への届け出で新商品を市場に投入できる。また、契約管理を行うシステムも、通常の生保商品より低コストでの開発・運用が可能だ。

 他にも最低資本金が1000万円と、通常の生保・損保の100分の1で済むなど、参入障壁は格段に低い。保険会社だけではなく、不動産や通信、インターネット業界からも参入が相次いできたのはそのためだ。

 今は新規参入組が次々と新商品を投入しており、市場はまさしく動乱期を迎えている。次ページでは、動乱の少短市場で競争する全115社の21年度決算を基にした、最新版「保険料」ランキングをお届けする。

 下のイメージのように全社の経常収益、保険金、事業費、経常利益、最終利益の合計6項目を3期分まとめたPDFファイルをダウンロードできる。

サンプル図版