動乱の少額短期保険#5Photo:PIXTA

スマホ保険や旅行キャンセル保険など、最も“少短らしい”分野が「費用・その他」。ここで上位に浮上したのが、コロナ保険で話題をさらった第一スマートとjustInCase(ジャストインケース)だった。特集『動乱の少額短期保険 115社ランキング』(全5回)の#5では、最新の少短「費用・その他」保険ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

最も“少短らしい”分野「費用・その他」
ランキングの上位にくる少短は?

 少短は「少額」な保険料で、1~2年の「短期」の保障(補償)を提供する保険だ。商品審査は金融当局への事前届け出制(審査条件付き)で、事業者は保険のニーズを見つけたら、素早く保険商品を市場に投入できる。

 そんな少短の機動性の高さを、「費用・その他」分野で勝負している少短業者は最も活用しているといえるだろう。

 例えば、スマートフォンの修理保険。スマートフォンの普及と、近年拍車が掛かっている高額化で、故障やトラブルは誰もが生活の中に抱えているリスクとなった。具体的な社名は次ページのランキングを見てもらいたいが、それにいち早く着目した業者が、今や「費用・その他」分野のマーケットリーダーとなっている。

 どの業者も、時代の変化とともに生まれる新たなリスクを捉え、それをカバーする保険を素早く開発して市場に投入しようと、常に新たな商品の種を探している。

 うまく市場のニーズを捉えて、商品を投入することができれば、先行者利益を得ることができ、次ページに掲載しているランキングも一気に駆け上がることができるだろう。

 実際、そのチャンスをつかもうと、「費用・その他」分野は新規参入業者が多く、2016年度末の7社から、21年度末には22社に増加。下図のように、保険料と契約件数も毎年度増加している。

 次ページにランキングを掲載しているが、その前に留意してほしいことがある。

 全115業者の中には、複数の分野の保険商品を販売している業者がある。しかし、多くの業者は保険分野別の保険料を公開していない。

 故に、次ページのランキングに登場する業者の中で、複数の分野の商品を販売している業者は、保険料収入に「費用・その他」以外の分野の保険料も含まれている。

 例えば、「費用・その他」と「家財」の両分野の保険を販売しており、主要分野が「費用・その他」である業者の場合は「費用・その他」のランキングに記載されるが、表示されている保険料収入には「家財」の保険料も含まれているといった具合だ。

 少短として登録している全115業者のランキングについては、本特集#1『少額短期「保険料」総合ランキング2022【115社】光通信が買収攻勢でSBI・全管協・東京海上の“御三家”に肉薄!』を参照いただきたい。)

 果たして「費用・その他」保険を販売する業者の最新序列はどうなったのか。

図表:少短「費用・その他保険」保険料収入ランキングサンプル