まさにファン・トゥ・ドライブ!
操る実感に惚れ惚れする

 国際試乗会は、スペイン・バレンシアで開催された。まずはバレンシア・サーキットでのテストから。結論からいうとサーキットにおけるテクニカの印象は、STOのように“涼しい顔ですさまじく速い”というクルマではなかった。代わりに、ドライビングファンという点で“歴代ウラカンの中でも最高”といえる仕上がりだった。

 オーバーステアを比較的容易に許すのがスポルトモード。これが楽しいのは当然だとしても、ラップタイム重視のコルサモードでもドライバーにある程度の自由度を与えてくれる。コルサでも運転が楽しめたという点に驚いた。テクニカはSTOと同じ640hpの後輪駆動で、空力的にはEVOより上だが、STOには劣る。それゆえコルサモードでもファンなのかもしれない。

 スポルトモードの楽しさは予想以上だった。フィードフォワード制御がいっそう精密になり、制御のアップデートは明らか。派手にリアが流れだしたとしても“自分で立て直した”ように切り返して進んでいける。もちろんクルマに助けられているだけなのだが、ドライブ中はそうは思わない。“自分のウデ”だと信じ切ってドライブできるという点で最高に楽しく、達成感がある。

 サーキットテストを終え、バレンシア近郊の郊外路を200km以上走ってみた。タイヤはSTOと同じブリヂストン・ポテンザ。サーキットではコントローラブルに思えたシャシー&タイヤのセットも、カントリーロードではやや硬質だ。それでもSTOよりは明らかにしなやかに走る。EVO・RWDより少し硬い程度だ。