サッカーも大学教育も
「海外流」が正解とは限らない
これまでの日本代表は、W杯で結果を出すには「海外の監督」が必要だと考え、海外の大物人材を登用してきた。だが、それで結果が出たとは言い難い。
一方、2010年大会の岡田ジャパンを含め、前回・今回と、日本人監督が率いた代表チームが続けて結果を出した。このことは示唆に富んでいる。
日本代表の次期監督として外国人の名前が挙がっているが、今回の森保ジャパンの躍進は、日本の人材育成や組織形成は間違っていないということを証明し、そのあり方の見本を示したのではないだろうか。
最後に、「失われた30年」と呼ばれる時代になって以降の日本で、世界で競争力を伸ばした数少ない分野がサッカーであることにも触れておきたい。
サッカーの成長は、今後われわれ日本人が世界で生き抜いていくための、あるべき道を示したといえる。それは、徹底的な「国際化」に個人のレベルで取り組み続けることだ。
日本のサッカー界の躍進は、徹底した「外向き志向」で多くの選手が世界に出て行って闘い、成功も挫折も経験として蓄積し続けた結果に他ならない。
今、W杯で大健闘した日本代表に「4年後こそベスト8を目指して頑張れ」という激励が日本中から集まっている。「政治と宗教」の問題など、暗いニュースが多い日本の希望となっている。
だが、単に日本代表を激励するだけでは、国の発展にはつながらない。われわれ日本人全員が、それぞれの分野で世界に目を向けて、自分のできることを精いっぱいやっていくことが、日本の復活につながるということを自覚し、行動すべきなのである。