ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ソロモン諸島ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ソロモン諸島ってどんな国?

 ソロモン諸島は、南太平洋に浮かぶ島国で、オセアニアのメラネシアに分類されます。パプアニューギニアの東方に位置し、ガダルカナル島、マライタ島、サンタイサベル島など大小992の島々で構成されます。全土が熱帯に属しますが、4月から11月は南東貿易風が吹き、しのぎやすい気候です。

 イギリスが1893年に南ソロモンを、1900年にはドイツ領だった北ソロモン諸島を領有しました。1942年には日本が占領しますが、戦死者約2万人を出す激戦の末、1943年にアメリカが占領しました。1950年からイギリスの支配に戻り、1978年に独立しました。

 1990年代後半から、ガダルカナル島において、この島に以前から住んでいた住民グループと北部に住むマライタ島からの移民の対立が激化し、2島それぞれの武装集団が戦闘状態になりました。

 2000年に和平協定を結びますが対立は続き、2003年にはオーストラリアニュージーランドなどのPIF加盟国の警察・軍隊で構成されたソロモン地域支援ミッションが、ソロモン諸島の法と秩序の回復のために派遣されて、治安が改善されました。

 近年は、イギリス、オーストラリア、近隣諸国などとの友好関係を強めています。

 主要産品はコプラ(ココヤシの果実の胚乳を乾燥させたもので菓子・マーガリン・石鹸などの原料に用いる)、木材、カツオなどの魚介類です。

「ソロモン諸島ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会メラネシア

ソロモン諸島

面積:2.9万km2 首都:ホニアラ
人口:69.1万 通貨:ソロモン・ドル
言語:英語(公用語)、ピジン語(共通語)
宗教:プロテスタント73.4%、カトリック19.6%

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)