ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
パプアニューギニアってどんな国?
パプアニューギニア独立国は、太平洋南部に浮かぶニューギニア島の東半分とビスマーク諸島など大小1万以上の島々から成る国です。オセアニアのメラネシアに分類されます。
ニューギニア島は、グリーンランドに次ぐ世界第2位の面積を持つ島です。
1828年にニューギニア島の西半分をオランダが併合し、1884年にはドイツがニューギニア島の北東部を、イギリスが南東部を保護領としました。その後ニューギニアは、国際連盟(第二次世界大戦後は国際連合)によりオーストラリアの委任統治領となり、1963年に西半分はインドネシアに編入され、東半分は1975年に独立しました。
国土の大部分は熱帯気候で、ニューギニア島南部のパプア湾に面したガルフ州では年間降水量が8000mmに到達します。一方、そこから海岸沿いを南東に進んだ首都ポートモレスビーでは、年間降水量が1000mm程度と少なくなります。内陸部は高山地帯で、標高4500mに達するウィルヘルム山を有するビスマーク山脈が東西に走ります。
英語などが公用語ですが、800以上の民族言語があるとされています。バニラビーンズ、タロイモ、ココナッツ、パーム油の生産量が多く、天然ガスや石油、金鉱、銅鉱といった地下資源を産出します。
旧宗主国オーストラリアが輸出入額ともトップの貿易相手です。オーストラリアとの対等関係、国境を接するインドネシアとの友好関係、PIF(太平洋諸島フォーラム)での中心的な立場が外交の機軸です。
パプアニューギニア独立国
面積:46.3万km2 首都:ポートモレスビー
人口:740.0万 通貨:キナ
言語:トクシピン語(ピジン英語・公用語)、英語(公用語)、モトゥ語(公用語)
宗教:プロテスタント64.3%、カトリック26%
隣接:インドネシア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)