インド太平洋経済枠組み、23年交渉本格化
政府主導に米議会は反発
岸田文雄首相とバイデン大統領とのワシントンでは初めての首脳会談が1月13日、行われ、ウクライナ情勢や対中国問題などについて安全保障や経済での日米連携強化がうたわれた。
任期の半分を折り返し、2024年の大統領選出馬を見据えるバイデン大統領にとっては、議会下院の主導権を共和党が持つ「ねじれ」によって内政ではさまざまな困難が予想される中、対外政策で成果を上げ、政権への求心力を強めたいところだろう。
とりわけ自身が提唱したインド太平洋経済枠組み(IPEF)は、参加国の間での交渉が今年から本格化する。
TPP(環太平洋連携協定)を離脱した米国にとっては、影響力を増す中国に対抗して貿易や地域協力を主導しようという新たな枠組み作りだけに重要性は高い。
首脳会談に合わせて発表された共同声明にも、日米が経済面でリーダーシップを発揮していくに当たり、IPEFが「目標達成の軸になる」と書き込まれた。
だが政府主導に議会は不満と反発を強めており、政府と議会で一丸となれない新通商政策は推進力にネックを抱える。