J-REIT(不動産投資信託)価格の底値模索が続いている。一方、株価の低迷によりJ-REITの平均分配金利回りは4%を超える水準まで上昇した。突っ込み買いのチャンス到来か、底値はまだ先なのか。特集『インフレ&金利上昇到来!騙されないための投資術』(全22回)の#4ではJ-REIT前編として、トップアナリストにREIT相場の見通しと個人投資家だからできる投資術について聞いた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
分配金利回りは4%超に上昇したが
金利上昇懸念で底値模索が続く
突っ込み買いのチャンス到来か、底値はまだ先か――。日本銀行による金融政策の修正前の水準を回復した日経平均株価に対して、J-REIT(不動産投資信託)価格は依然として底値模索が続いている。
市場全体の値動きを表わす東証REIT指数は2月17日時点で1825ポイント。コロナ禍初期の2020年を除けば4年ぶりの安値水準まで下落している。一方、価格が下落したことでJ-REITの平均分配金利回りは4%を超える水準まで上昇した。
くしくも22年12月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)も前年同期比で4%上昇した。「年率4%」資産を増やさないと、実質的に資産価値が目減りする状況に突入している。
為替リスクを負うことなく、目減り分の「4%」の分配金が狙えるJ-REITだが、金利上昇や都心オフィスの空室率高止まりなど不安材料も多い。今から買っていいのか。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井翔大アナリストは「機関投資家と個人投資家では目線が違ってくる」と指摘をする。どういうことか。次ページではREIT市況を分析しつつ、トップアナリストに「底値はいつなのか」「今は突っ込み買いのチャンスなのか」、ずばり聞いた。