ゼネコン業界の大手4社の待遇は基本的に年功序列で、課長や部長の年収水準もほぼ横並びだ。そんな中で清水建設は4社の中で唯一、厳しい昇進試験を課す。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#11では、清水建設が課す厳しい昇進試験の実態とその理由に迫った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
受注競争でしのぎを削るライバルも
年功序列の年収水準は“横並び”
スーパーゼネコンのある中堅社員は、都内の再開発の工事現場を指さして言い放った。
「スーパーゼネコンのクラスになると、施主から請け負う工事の規模に大差はない。工事の手順もほぼ同じ。だから各社の待遇もほとんど横並びなんだ」
売上高が1兆円を超える鹿島、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店は、ゼネコン業界の最上位に君臨するスーパーゼネコンだ。シンボリックなプロジェクトになればなるほど、「わが社の旗を立てよ」と激しい受注競争でしのぎを削る永遠のライバルである。
ところが、人事制度や年収水準になると、ライバルで競い合う面影は消えてなくなる。各社とも基本的に年功序列で、年収水準はほぼ“横並び”になるのだ。
次ページでは、スーパーゼネコン4社の課長・部長への出世事情や年収水準、そして業界で唯一、清水建設が設ける「出世の登竜門」である昇進試験の実態について詳報する。