ビラボンの持つフレッシュさと清潔感とくだけた格好良さ、そして適度な「決して安物ではないブランド感」が、ビラボンを「若者たちが堂々と着こなしたいイカしたブランド」たらしめているのと同時に、おじさんたちのニーズにもドンピシャハマっていて、ある意味おじさん御用達ブランドのようにもなってきていると発見したのが、ほんの数カ月前である。
ビラボン装備のおじさんを発見するのは最初のうちは同志を見つけた気がして嬉しかったのだが、徐々に気持ちが変化していき、やがて同志に出くわすたび「おれたちって、おじさんだよね。加齢していく中、やんちゃさに少しでもしがみついていたい気持ちがビラボンを選ばせるよね」と妙にやるせない気持ちが前に出てくるようになった。そうなるともう以前ほどの晴れがましさでビラボンを着られないのだが、もはや外出着はビラボンしか持っていないのである。
そんな八方塞がりと言って差し支えない状況に、天から蜘蛛の糸を垂らしてくれたのがこの度のワークマンであった。ワークマンを導入することにより筆者の着回しの幅は格段に広がり、「ビラボンのみと一蓮托生」以外の選択肢を取りうるようになった。
おしゃれなおじさんたちの
新たな救世主となりうるワークマン
ストリート系、アウトドア系のテイストが多いワークマンだが、若者がちゃんと好むデザインなので、彼らがそれを着てくれることで我々おじさん勢もそれを着て「若いっしょ」とやることができる。そしておじさんたちがワークマンにどんどん流入してきて、いよいよ「おじさん御用達ブランド」の感が漂ってきたら、今度はビラボンの方が手薄になっているはずなので、筆者はビラボンの方に戻ればよい。並行する2本のレールを場合に応じてあっちにこっちに飛び移るこの立ち回りで、筆者のファッション道は安泰である。
ともあれ、あの品質とあの価格を実現させているのはひとえに企業努力に他ならない。ワークマンは近年アンバサダーマーケティングに力を入れているらしいが、あのクオリティで商品を提供してくれるなら自ずとファンになりたくなるし、筆者のように勝手にアンバサダーと化してこのように広報活動を行う者もいる。筆者はワークマンとはなんのつながりもなく、もし品質が劣化するならワークマンから離れていくだけだが、今はただ同胞であるおじさんたちの笑顔を増やせるかもしれないと考え、こうした記事を書いている。
実用的でファッション性もあり低価格なワークマン、機会あればぜひ一度試されたい。