2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理#12Photo by Yoko Suzuki

国もガイドライン制定を急ぐ、理事会業務を全て丸投げする第三者管理方式。管理業界、管理組合理事クラスタからも注目が高まる新方式だが、果たして管理業界の現場での実情は?特集『2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理』(全24回)の#12では、各管理会社や理事会の動きの内幕をインサイダーたちがぶっちゃけた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

【座談会参加者】
●はるぶー
 @haruboo0 RJC48代表。東京都足立区の500戸超マンションの理事を15年
●がすたま @gasu_tama 妻「やれ」。私「はい」。3回目の転生マンション理事役員生活
●ぞくぶつ @sokubukken マンション管理が趣味の人(炎上系)
●黒ひつじくん @TDmU7jdTLqYw9Sp マンション管理士。日本全国対応の何でも屋
●はじめ @mscondohajime マンション管理会社のフロントの人

国交省ガイドラインに管理会社は戦々恐々
どうなる第三者管理方式

――理事会を廃止して、管理会社などの外部に管理機能を全て委託する第三者管理が広まりつつあります。がすたまさんは以前、管理会社に管理者(理事長)役を外部委託するタイプの第三者管理マンションを所有されてましたよね。あれ実際どうでした?

がすたま そうですね、最初は混乱があったんですけど、ポイントを押さえればいい感じで使える。管理者への意見を書面で意見書として出せば、レスポンスが必ず来る。これをやっても理事会だと応答しないところが結構あるけど、会社はちゃんとしてます。また、管理会社にデメリットにならない提案なら、時間はかかるけど検討してもらえる。逆に、カネを使う提案については、彼らは遠慮なく自分たちの利益になるものを持ってくるので注意した方がいい。

「2年アフター(竣工から2年目の点検)を外部の業者を入れて有料でやりたい」という希望を管理者に出したら、管理者は販売デベロッパー関連の管理会社だから本来2年アフターは無償で提供することが多いのに、有料アフターのコンペに自社を平然と入れてきた、って話を他のマンションで聞きました。おいおい。

――国土交通省はワーキンググループを設置してガイドライン制定に動いていますね。各管理会社の第三者管理方式への対応状況はどうなんでしょうか?

はるぶー 管理会社も各社警戒していて、内容がどうなるかこわごわ見てる。例えば管理会社とは別に外部監事を入れるとか、住民に監事をやらせるみたいなことがガイドラインで決まると、運営がひっくり返っちゃうから嫌がってるんですよね。とにかくガイドラインの内容を決めてくれないと動けないから早くして、というのが財閥系管理会社の総意みたい。

国交省のガイドライン制定が進む中、新規参入が相次ぐ第三者管理方式。でも、管理会社によってその取り組み方はまちまちで、すでに事業からの撤退を模索しているところもあるとか……?令和の新管理方式は普及するのか?現場を知る管理インサイダーならではの見立ては次ページから!