M&Aクラウドが以前、SHIFTさんに売り手企業をご紹介したときに感じたことですが、先方に金額を提示する際に、算定根拠を明確に説明されますよね。「いや、相場から言ってこのくらいですよね」みたいな言い方で済ませてしまう会社もありますけど。先にお話ししていた相手視点という点でも、SHIFTさんは徹底されているなと思いました。
丹下:そこは本当に大事にしている部分で、経営者、特に創業者は自社に対する思い入れがすごく強い。そういう人たちにSHIFTにジョインする気持ちになってもらうためには何が必要か、ですよね。
もしSHIFTがどこかにM&Aされるとしたら、やっぱり自分よりもすごいネットワーク力とか胆力を持っている経営者のいるところにジョインしたい。そのほうが会社の業績が早く伸びると思うからです。そう考えると、自分たちがM&Aするときも、SHIFTから相手にどんなメリットを提供できるのかはしっかり説明しないといけないなと。
及川:そのメリットを、SHIFTさんはまさに提供し切っている印象です。
丹下:営業力と経営管理力、それと採用力。この3つがSHIFTには揃っているからこそ、前年度はグループ会社の平均売上高を30%増にすることができました。このやり方で構造的に伸ばせるということはもう証明できているから、それを学んで採り入れてもらえば、絶対伸びるんです。
及川:営業力もそうですが、採用力もあります。
丹下:年間2500人採用してますから。経営管理に関しても、いろいろな指標をリアルタイムで可視化していて、そこに異常な執念を燃やしているチームもいます。というか、それがあるからこそ、営業や採用で思い切りアクセルを踏める。「ここまで行ったらコースアウトするよ」と教えてもらえる仕組みができているから、みんな安心して飛ばせるんです。
及川:アクセルとブレーキの両方がしっかり機能しているわけですね。
丹下:仲間に迎える人たちをハッピーにする必要条件として、僕はよく「夢と算盤」って言うんですけど。社員の視点で言うとやりがいのある仕事、例えばエンジニアは、いろんなプログラミング言語を扱う機会。そして適正な評価と教育、仲間。これらは全部、M&Aで仲間入りしたら満足してもらえるレベルにあるという自信はあります。先方が「自社サービスをやりたい」という場合はまた違ってきますけれど、そこはもう好みの問題ですよね。