総予測2024#80Photo:artpartner-images/gettyimages

地政学リスクや急激な円安といった外的要因が企業経営のかじ取りを難しくしている。経営者はどのように見通し、どんな決断と行動に打って出るのか。『総予測2024』の本稿では、トップ経営者8人に2024年の「円安」について問うた。(ダイヤモンド編集部)

三井住友頭取の円相場の見立ては
「130円割れが買い場のイメージ」

 2024年年明け、円安が進んだ。1月1日に発生した能登半島地震が経済活動に与える影響が懸念されたことが大きな要因だ。見通しの難しい外的要因を抱える今こそ、経営者は手腕が試される。2024年の円相場をどのように見通し、どのような行動に打って出るか。日本を代表する企業8社のトップに問うた(23年末時点)。

 三井住友銀行の福留朗裕頭取CEOは24年の円相場について、「1ドル140円±10~15円」で130円割れが絶好の買い場になるぐらいのレンジをイメージしている。「1ドル110円±15円」ぐらいのレンジで動いていた時代に戻るのではなく、かなり上にずれた新たなレンジを形成するという見立てだ。

 みずほ銀行の加藤勝彦頭取は「日米の金利格差のような金利差だけが為替を左右してきたわけではない」とし、「日本の国力が関わる」ことを指摘。日本への投資のニーズ、トレードのニーズが高まるかどうかが今後の焦点ということだ。

次ページでは、さらに三菱電機、JFEホールディングス(HD)、富士フイルムホールディングス(HD)の各トップが円相場を予想。また、関西電力、日本建設業連合会、森トラストの各トップが企業経営、業界に与える影響や取り組みを語った。