政権の主軸になった「低姿勢国対」岸田・麻生・茂木の三頭政治は後退2月5日、国会内で会談に臨む自民党国対委員長の浜田靖一(右)と立憲民主党国対委員長の安住淳。浜田の国対委員長就任以降、前任者とは比較にならないほどの頻度で、与野党国対委員長会談が開催されるようになった Photo:JIJI

「低姿勢国対」と言っていいだろう。派閥の裏金問題で“火だるま”状態の自民党が貫く国会対策のことだ。この中心にいるのが自民党国会対策委員長の浜田靖一。かつて「国会の暴れん坊」との異名を持ち「ハマコー」の愛称で親しまれた浜田幸一の長男だ。

 首相の岸田文雄とは衆院選初当選の同期生で、元首相の安倍晋三も同じ「93年組」。この選挙で自民党は政権を失い、浜田らは国会デビューが野党議員という、自民党結党後初めての新人議員だった。安倍も生前にこう語っていた。

「野党の1年生議員はやることがなくて皆でよく集まっていた。だからとても仲が良い」

 岸田が心を許す数少ない政治家の一人に浜田の名前が挙がるのはこのためだ。浜田はソフトな人柄で人望が厚い。一方で政治の流れを読むことについては、父親譲りの勘と度胸の良さが随所に顔を出す。裏金問題に対処するための中間報告を取りまとめた1月25日の臨時総務会でのことだ。

「派閥と政策集団の違いは何か」について、総務の一人が延々と総務会長の森山裕に食い下がると、浜田が一喝した。

「刷新本部の会合に一度も出席していない議員があれこれ言うな」