1000円超えの値付けをしたラーメン店では、利益をさらに商品や人的資源、設備に投資して、サービスの充実が図られている。1000円を超えたことで客層が変わり、結果的に客数が増え、利益アップにつながった店もあるそうだ。

 ちなみに、かつて筆者がよく行っていたラーメン店は500円ちょっとで本格的な家系ラーメンを食べることができて、しかもライスが無料だったので、大変重宝していた。しかし、店主の態度が常軌を逸して悪く、行くたびに必ず嫌な気分にさせられるのでやがて足が向かなくなってしまったのだが、口コミサイトでその後の動向をうかがってみると、相変わらず店主の陰湿で攻撃的な接客態度が猛威を振るっているようで、静かに怒り狂っているお客が後を絶たない。

 しかし、値段はこのご時世にあっても据え置きのままであり、このラーメン店のように「接客の質は意地でも向上させないが、その代わりラーメンも安いまま」という、妙な形で筋を通している珍しいケースもある。

ラーメンファンは
「1000円の壁」を許容できるか

 消費者の感覚として「1000円の壁」はどうか。昨年行われたあるインターネット調査によると、「1,000円を超えるラーメンには、とても手が出ない」という質問に対し、「はい:72.0%」「いいえ:28.0%」となった。

【参考】
https://www.moratame.net/wp/robamimi/202302_112/

 実に7割の人が「1000円の壁」を前にして、尻込みしているのがわかる。

 この「ラーメンは安くあるべき」という、一昔前から続く当たり前だった庶民感覚が、ラーメン店が「1000円の壁」を越すための障壁となっていて、それによってラーメン店の経営が苦境に追い込まれがち――といった指摘をしていた専門家もいる。

 サッカーの本田圭佑選手が、「あの美味さで730円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき」といった旨のポストをX(旧ツイッター)で行い、これがきっかけでラーメンの価格設定についての議論が一層盛んになった。