底を打ったかに見えた首相、岸田文雄の内閣支持率が再び降下を始めた。2月19日付朝刊の毎日新聞と読売新聞が伝えた世論調査の結果は共に、岸田内閣の発足以来最低を記録した。毎日の結果は前回より7ポイント減の14%、不支持率は10ポイント増の82%。読売は支持率24%、不支持率61%。この支持率は過去最低を記録した前回と同じ。この2紙より少し前に実施された時事通信の調査でも支持率が前回より1.7ポイント減の16.9%、不支持率は逆に6.4ポイント増の60.4%に達した。
派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件による政治不信の深刻さを浮き彫りにした。文部科学相の盛山正仁と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係についても、野党側の追及が続き、進退問題の決着はつかないままだ。
一般的には内閣支持率が20%台になれば、「危険水域に突入」と判定されるが、現状はそれを超える「危機的水域」にある。それでも岸田が持ちこたえているのは、二つの要因があるからだ。
「自民党内に岸田さんに代わる有力候補がいない。野党がバラバラで迫力不足」
岸田をよく知る自民党非主流のベテラン議員はこう解説する。確かに来年度予算案の審議も、裏金問題で浮上した議員らの政治倫理審査会への出席問題を抱えながらも、予算採決に向けて着々と進んできた。「総務会長・森山裕─国対委員長・浜田靖一」を軸にした“低姿勢国対”が功を奏しているからだろう。
しかし、ここにきて自民党にとって「不都合な真実」(自民党幹部)が視界に入ってきた。