「路頭の儀」の行列「路頭の儀」の行列。藤の花で飾られた牛車 写真提供:京都市観光協会

葵祭のハイライト「路頭の儀」を満喫

 ゴールデンウイーク(GW)が過ぎれば、祭りはクライマックスへ。非公開の神事はともかく、雅な行列が堪能できます。

【5月】
12日(日) 御蔭祭(みかげまつり)
 比叡山のふもと、御蔭山(みかげやま)に鎮座する御蔭神社の新しい神霊を櫃(ひつ)に遷して白い神馬に乗せ、下鴨神社へと迎えます。神事自体は非公開ですが、行列の様子は見物OK。下鴨神社境内の糺(ただす)の森で眺めると、神秘的な雰囲気が際立ちます。同じ日の深夜、上賀茂神社では御阿礼神事(みあれしんじ)が行われます。神霊を迎える古来の神事で、秘儀であるため、非公開です。

15日(火) 路頭の儀(ろとうのぎ)
 勅使(天皇の使者)の一行が、京都御所南側の建礼門前から出発し、下鴨神社、上賀茂神社へと向かう、葵祭のハイライトです。「路頭の儀」のルートはこちら。京都御所を出てから上賀茂神社に至るまで賀茂川沿いの加茂街道など公道を進みますので、無料で見られるチャンスもたくさんあります。大樹の並木が織り成す木漏れ日の下、さながら王朝絵巻のような華麗な行列に魅了されますよ。

 総延長1kmほどの行列は、勅使が中心の「本列」と斎王代を中心とする「斎王代列」の二つに大きく分かれます。本列は、騎馬隊の乗尻が先導役を務め、警備を担う検非違使(けびいし)や、山城使(やましろつかい)、勅使の代理である近衛使代(このえつかいだい)に加えて、牡丹や杜若といった花々で飾りつけた風流傘などが列をなします。

 ひときわ目を引くのは、藤の花で飾られた牛車(御所車)。のんびりとマイペースな牛は、沿道の人々の笑顔を誘う祭りの人気者です。斎王代列の主役である斎王代が腰輿(およよ)に乗って登場すると、大きな歓声が沸き上がります。

 建礼門前をスタートするのは午前10時30分。堺町御門をくぐり、丸太町通と河原町通を経て、賀茂川に架かる出町橋を渡ります。午前11時40分頃、下鴨神社に到着。勅使が御祭文を奏上し、御幣物を奉納する「社頭の儀」が行われます。

 午後2時20分頃に下鴨神社を出発。下鴨本通を西に進んで北大路橋を渡り、加茂街道を北上して上賀茂神社に到着するのは午後3時30分頃。ここでも「社頭の儀」が行われます。

 なお、スタート地点である京都御苑と中間地点となる下鴨神社の参道に、全席指定で公式ガイドブック・観覧記念符付きの有料観覧席が設けられます。

葵祭「路頭の儀」葵祭「路頭の儀」で上賀茂神社の参道を進む行列 写真提供:上賀茂神社