進撃のアクセンチュア「3つの強み」とは?グローバル業績をけん引する最強ビジネスモデルを大解剖Photo:NurPhoto/gettyimages

コンサルティングファーム大手、アクセンチュアの日本法人の人員数が、このほど2万4000人規模まで拡大したことがダイヤモンド編集部の集計で判明した。直近のグローバル本社の2024年8月期中間決算でも日本法人は全体の成長をけん引している。巨大化するアクセンチュアはなぜ圧倒的な強さを持つのか。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、関係者などへの取材をもとにアクセンチュアの最強ビジネスモデルをひもとく。強力な独自モデルの源泉ともいえるのが、他社が容易に模倣できない「三つの強み」である。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

人員数は10年で5倍に!
独自の「三つの強み」とは?

 その数、約2万3900人超――。巨大化を続ける大手コンサルティングファーム、アクセンチュアの日本法人の人員数がこのほど、初めて2万4000人に迫る規模まで拡大していることが判明した。

 4月に公開した本連載記事『【最新版】「アクセンチュア&ビッグ4」コンサル5社の国内人員数を公開!“独り負け”のファームと二桁増の2社とは』の時点から、さらに数百人規模で増えたことになる。これは5年前と比べてほぼ倍増、10年前比では約5倍という急増ぶりである。

「人」をよりどころとするコンサルビジネスだけに、成長の最大の原動力は、大量採用を伴う人員増に求められる。本連載記事『【独自】アクセンチュアがリファラル採用強化で紹介報酬を8倍に爆増!「照準は管理職」の陰にデロイトの失速?』で詳述したリファラル採用を含め、あらゆる手を駆使して積極採用を続けながら高成長を継続してきた。

 その結果、同社日本法人は23年8月期まで、10期連続で二桁成長を遂げているほどだ。これまで『【独自】アクセンチュアの「超重要顧客」の日本企業2社が判明!自動車メーカーと電力会社の実名公開』などでも言及したように、米アクセンチュアのグローバルなIR資料では、日本は幾度となく、成長の「けん引役」になった市場だと名指しされてきた。

 3月発表の直近のグローバル半期決算(2023年9月~24年2月)でも、日本は欧米以外の「グロース・マーケッツ」地域において、アルゼンチンと並び成長を主導した市場だと明示されているのだ。

 では、同社日本法人はなぜ、積極採用を続けるのか。

 その背景には、アクセンチュアが巨大化を遂げるなかで、もはや「コンサル」という言葉では単純に説明できない特異なビジネスモデルを築き上げてきた点を理解する必要がある。

 そこで次ページでは、事情に詳しい関係者の証言をもとに、同社の独自のビジネスモデルを徹底解剖。すると、他社が容易に模倣できない「三つの強み」が浮かび上がってきた。

 競合する総合系ファームのBIG4(デロイト、PwC、EY、KPMG)とは何が異なり、なぜ人員数を増加させる必要があるのか――。DX(デジタルトランスフォーメーション)需要にとどまらない、同社ビジネスの新機軸と併せて明らかにする。