首相の岸田文雄の自民党総裁としての任期切れまで約3カ月。そろそろ総裁選の日程を固めるタイミングだが、岸田サイドの思惑も絡み合って具体的な日程検討に入らずにいる。
「日程が固まると、一気に総裁選モードになる。今は党内を落ち着かせることが大事だ」(岸田に近い党幹部)
ちなみに3年前の総裁選では東京五輪の開会式(7月23日)の直前にほぼ日程を固め、総裁選管理委員長に元自治相の野田毅が内定していた。
当時は五輪開催が迫る中で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、首相の菅義偉の求心力が急速に低下していた。しかし、衆院議員の任期満了が10月に迫り、当時の幹事長二階俊博は「(菅を)代える意義は見つからない」と述べるなど、菅続投の流れだった。
ところが、8月22日に実施された横浜市長選で様相は一変した。横浜は菅の地元。そこで菅内閣の閣僚だった小此木八郎が惨敗したからだ。そのショックは大きく、現職の菅が総裁選出馬を断念した。
それから3年。岸田も内閣支持率の低迷から抜け切れず、ついに時事通信の最新調査では16.4%にまで下落した。さらに頼みとする副総裁の麻生太郎との間には政治資金規正法の改正を巡って亀裂が生じている。党内から退陣論も表面化して再選への道はさらに険しく細くなっているのが現実だ。ただし、3年前と大きく異なるのは衆院議員の任期がまだ1年4カ月残っていることだ。