40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#1Photo:PIXTA

中高年が転職や独立で人生を変えようとする場合、真っ先に資格取得によるリスキリングを考えるだろう。だが、はやりの資格は試験などの制度改正や需給バランスによって大きく変わる。近年では、新型コロナウイルスの感染拡大を経て、社会保険労務士や税理士の人気が上昇し、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーの人気が下がるなど序列が様変わりした。特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の#1では、過去10年間の性別・年代別の「人気資格ランキング」を基にその背景を探る。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

将来のリスク軽減のため
中高年も資格取得でスキルアップ

 現代社会は、目まぐるしい変化と不確実性に満ちている。グローバル化や技術革新の加速、経済格差の拡大など、個人の生活に不安を与える要素は多い。

 そんな状況下で、将来のリスクを少しでも軽減しようと、中高年でも安定した収入を得られる仕事やスキルアップによるキャリアアップを目指す人が増えた。その手段の一つとして注目されているのが、資格(検定を含む)の取得だ。

 医療や介護、金融などの専門性が高い業界では、法律で定められた独占業務に携わるために国家資格が必要な職業はたくさんある。また、特定の業界や職種で求められる専門性を証明するための民間資格も、時代を追うごとにアップデートされながら新しいものが次々と登場している。

 今年6月に閣議決定された「骨太の方針2024」では、意欲のある人が生涯活躍できる社会を実現するため、中高年を含めた全世代のスキル向上を打ち出した。2025年度に、リスキリングのプログラムや施策内容を含む各種情報を可視化するプラットフォームの整備を開始するという。

 しかし、すでに社会は新たな能力の獲得に向けて動きだしている。

 資格の学校TACがまとめた、日商簿記検定や宅地建物取引士(宅建士)など主要24資格・検定(公務員・教員を除く)の23年の受験申込者総数は約240万人だった(下図参照)。

 16年以降、受験申込者数はおおむね220万人弱で推移していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試験が中止され、20年は176万人まで急減した。しかし、21年には反動で受験申込者数が約252万人に急増し、その後の2年間は約240万人でほぼ横ばいを維持している。

 資格の取得方法は多様で、専門学校で講師と対面式で学ぶ方法や、通信講座でテキストや映像を見ながら在宅で学ぶ方法などがある。

 次ページでは、具体的にどの資格・講座が人気なのかをランキング形式で紹介する。

 そこから浮かび上がったのは、コスパに優れ、稼げる資格の人気上昇だ。また特に男性の間で、学歴・職歴・就労経験が不問で誰でも受験できる、意外な資格の人気が高まっていることも分かった。詳細をお届けする。