1913年に(大正2)に創刊した「ダイヤモンド」は、2024年に111周年を迎えた。そこで、大正~令和の日本経済を映し出す1年1本の厳選記事と、その解説で激動の日本経済史をたどる「111年111本」企画をお届けする。第5回は昭和の戦前・戦中期、1939~44年までの6年間だ。(ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)
【27】1939年
欧州で第二次世界大戦勃発
今度は棚ぼた好景気は望めない
1939年9月1日、ドイツがポーランドを侵攻し、欧州で第二次世界大戦が勃発した。9月11日号では「欧州はどうなるか 遂に欧州大戰の爆発」という特集を組み、日本経済への影響については、主筆を務める野崎龍七が「欧州大戦と日本経済への影響――第一次大戦当時を回顧して」という論考を、2号にわたって掲載している。
この時点では、名称はあくまで「欧州第二次大戦」であり、日本も巻き込まれる第二次世界大戦という位置付けではない。欧州向けの輸出が飛躍的に伸びた第一次世界大戦時の好景気を事細かに振り返り、今回もその恩恵に預かれるかどうかを検証している。
しかし、結論としては悲観的だ。