1913年に(大正2)に創刊した「ダイヤモンド」は、2024年に111周年を迎えた。そこで、大正~令和の日本経済を映し出す1年1本の厳選記事と、その解説で激動の日本経済史をたどる「111年111本」企画をお届けする。第22回は平成後期、2016~19年までの4年間だ。
【104】2016年
マイナス金利導入!
追い詰められた日銀の奇策
2016年1月29日、日本銀行はマイナス金利政策を導入した。民間の銀行が日銀に預ける一部の資金に対して年利-0.1%の金利を適用することで、銀行が資金を積み上げるよりも、融資や投資に回すよう促すものである。13年の「異次元緩和」の際に定めた2%のインフレ目標を達成すべく、金利低下によって企業の投資意欲や個人の消費活動を活発化させ、経済を刺激し、デフレからの脱却を図るものだった。
2016年2月13日号「マイナス金利導入!日銀の危険な賭け」では、この政策について、量的・質的緩和の限界を露呈するものであり、追い詰められた日銀の奇策であると断じている。