そもそも、旧東京モーターショーが過去70年の歴史から決別しジャパンモビリティショーにモデルチェンジしたのは、自動車業界が単なるモノづくりからモビリティづくりの企業へと大きく変化したからだ。

 移動だけでなく、社会課題の解決や新しい価値を創造し、豊かで夢のあるモビリティ社会を創りたい。そうした思いの下に、さまざまな仲間を集め未来を提示する「共創プラットフォーム型イベント」へ進化する狙いが背景にあった。

 これを主導したのは、昨年まで自工会会長を務めた日本の自動車産業のリーダー役の豊田章男トヨタ自動車会長だ。それまで参加者が減少傾向にあった東京モーターショーだが、豊田氏の一連の大改革によって入場者数が100万人の大台に乗るまでに復活した。

 豊田氏は、昨年のイベント最終日に登壇したトークイベントで、「毎年開催」化の可能性についても触れていた。その時点では毎年開催化は決定していなかったが、今年1月に豊田章男氏の後任として自工会会長に就任した片山正則いすゞ自動車会長が、その考えを受け継ぐ形で毎年開催化を決断した格好だ。

 実は、毎年開催は今回が初めてではない。1999年の第33回から2005年の第39回までは、乗用車(一般向け)と商用車(主にビジネス)を分離することで、交互に毎年開催する形式が7年続いた。毎年開催の復活は、約20年ぶりのこととなる。