保険ラボ

損害保険業界の構造的課題について、法改正を視野に入れた金融審議会での議論が始まっている。大型の乗り合い代理店や企業内代理店、手数料ポイントなどどれも簡単な問題ではないが、どのような議論が行われているのか。連載『保険ラボ』の本稿で、Q&Aで解説した。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

法改正を視野に入れた金融審議会
何が話し合われたのか?

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Q 損害保険業界で起こった旧ビッグモーターやカルテルなど一連の問題を受けて有識者会議が開かれ、6月25日に報告書が公表されました。その後、金融審議会(首相の諮問機関)が開催されています。

答え男性のイラスト

A 9月27日に第1回目の金融審議会が開かれ、10月16日には第2回目が開催されました。有識者会議の報告書が公表されてから3カ月超が経過しているからでしょうか、金融審議会の開催ペースが早いですね。

Q女性のイラスト

Q 金融審議会ではどのようなテーマが取り上げられているのでしょうか。

答え男性のイラスト

A 基本的に有識者会議の報告書がベースになっています。何度も見ていると思いますが、以下が有識者会議でまとめられたポイントです。

保険ラボ,金融審議会2024年9月27日の金融審議会で示された事務局資料から抜粋
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保険ラボ,金融審議会2024年9月27日の金融審議会で示された事務局資料から抜粋
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 大きくは「顧客本位の業務運営の徹底」と「健全な競争環境の実現」の二つになります。そして、図の最下段にある通り、監督指針の改正やガイドラインの策定でできることは迅速に対応し、内容によっては保険業法の改正も検討することになります。

Q女性のイラスト

Q 改めて見てみると、どれも一筋縄では解決できそうにない重たいテーマですね。実際、金融審議会ではどのような議論が行われているのでしょうか。