それは電動化戦略にも表れている。毛籠社長は、就任2年目に入る今年2月には、一度市販から撤退した「RE開発グループ」を6年ぶりに復活させ、さまざまな燃料に対応可能な“雑食性”の特性を持つREでCN(カーボンニュートラル)燃料を活用するなど、REを生かすことでマツダ独自のマルチソリューション戦略を進めていく考えを示した。
「カーボンニュートラルへの方向は変わらない。EV化について今はスローダウンしているがマツダは“低CO2ソリューション戦略”としてマルチスタンスで臨んでいく。マツダ独自の“人間中心の開発哲学”により、お客さまの使い方の中でどんなメリットがあるかに対応していく」と、営業・マーケティング畑のトップらしい経営戦略を示している。
これからますます競争が激しくなる時代に向けて、果たしてマツダはどこまで独自性を発揮しながら生き残ることができるのか。まずは、30年へのロードマップの実現に向けて、トップの手腕が問われている。
(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)