教育分野でも同様だ。イギリスの大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)による世界大学ランキングでは、日本の大学の最高位は東京大学の32位。

 1位は、私の母校であるMIT(マサチューセッツ工科大学)、2位以下はインペリアルカレッジ・ロンドン大学、オックスフォード大学、ハーバード大学、ケンブリッジ大学と有名校がずらりと並ぶが、同じアジアでもシンガポール国立大学が8位に躍進したほか、同じくシンガポールの南洋理工大学も15位、中国の北京大学(14位)、清華大学(20位)もトップ20に入っている。科学論文の数でも、2022年に上位10カ国から外れ(文部科学省「科学技術指標2022」)、スペインや韓国にも抜かれたと報じられた。

 日本という国全体が、まさに“地盤沈下”を起こしているような印象がある。むろん、その原因はいろいろあるだろうが、日本が世界の潮流から完全に乗り遅れてしまったのは間違いない。

日本衰退を如実に表す
「半導体産業」の不調

 そんな日本衰退の象徴は、半導体産業だろう。

 現在、「産業のコメ」と呼ばれる半導体の国内生産体制の整備・増強が進んでいる。

“国策プロジェクト”のラピダスは、北海道千歳市に工場を建設して2027年から回路線幅2nm(ナノメートル)の次世代ロジック半導体の量産を目指し、2025年4月までに試作ラインを稼働させる。

 熊本県菊陽町では、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が半導体工場を稼働させ、さらに第2工場も建設中だ。

 また、ルネサスエレクトロニクスは、2014年に閉鎖した山梨県の甲府工場に900億円規模の設備投資を行ない、パワー半導体生産ラインとして2024年4月に再稼働した。キオクシアも、三重県の四日市工場の新棟でフラッシュメモリーを量産している。

 その背景には、新型コロナ禍によるサプライチェーンの混乱やオンライン生活への移行、米中対立、ヨーロッパのグリーンエコノミー政策、ウクライナ戦争などによる世界的な半導体不足がある。