トフラー氏は「第1の波」の「農業革命」によって農業社会、「第2の波」の「産業革命」で工業化社会になったのに続き、次は「第3の波」の「情報革命」が起きて脱工業化社会になると主張し、その通りになった。

 私は、この3つの波における雇用の側面に着目した。いずれの波も前半は雇用を大量に創出したが、後半はそれが削られたのである。それは「第4の波」も同じであり、前半の入り口の今は雇用を大量に創出しているが、後半は人間が淘汰されていく、と指摘した。

 典型例は配車サービスのウーバーや料理宅配のウーバーイーツだ。世界中でウーバーのドライバーやウーバーイーツの配達員が増加しているが、車の自動運転レベル5(完全自動運転)が実現したら、ドライバーも配達員も用無しになる。だから同社は彼らを正社員として固定化せず、(時給が高くても)個人事業主として契約しているのだ。

 アマゾンをはじめとするEコマースの物流倉庫のスタッフも、作業の自動化がさらに進めば、ピッキング・パッケージング要員は大幅に削減される。また、自動運転時代になったら、今は人手不足が深刻な宅配便のドライバーも不要になる。

 日本の場合、最低賃金の全国平均時給は961円(2022年度)でしかないが、時給の上昇は国際的に伝播するので、これから徐々に上がっていくだろう。

 しかし、たとえ時給がアメリカ並みに上がったとしても、喜んでばかりはいられない。

 時代が進み、「第4の波」が後半に入ると、前半に創出された仕事の大半はロボットやAIに取って代わられ、なくなってしまうのだ。

第4の波が本格的に到来すれば
“パッケージ”の価値は失われる

 また、クリック(ネット)ビジネスのウーバーやアマゾンとモルタル(実店舗)を展開する飲食業や小売業では事情が全く異なる。

 たとえば、スターバックスは定番のラテが415~545円だ(2022年6月時点)。

 一方、コンビニやファストフード店のコーヒーは最安100円である。スターバックスは価格に見合う価値を維持するためにバリスタが注文ごとにドリンクを1杯1杯作っている。