しかし、スターバックスの高いコーヒーとコンビニなどの安いコーヒーの間に価格ほどの差異はない。したがって、スターバックスが省力化し、同じ味をロボットで再現できたとしても、現在の価格は取れない。ロボット化した場合の価格は無限に100円に近づいてしまうのだ。
だからといってバリスタの手作りという現在の付加価値を維持するために従業員の時給をどんどん引き上げたら、それは“墓穴を掘る”ことになる。なぜなら飲食業は世界的に今の時給レベルがほぼ限界に達しているからで、実店舗を持たないネット企業の給料には永遠に近づけないと思う。
小売業も同様で売上高利益率が極めて低い。2021年の経済産業省の企業活動基本調査(2020年度実績/速報)によれば、小売業の1企業あたりの売上高経常利益率は3.1%だ。したがって、従業員の時給を引き上げる余力はほとんどなく、行き着く先は無人化・ロボット化しかない。
銀行などの人気職種は
第3の波により人員削減
かつては有名百貨店の包装紙や紙袋が摩訶不思議な付加価値になっていた。しかし、もはやそれはなくなった。若い女性を中心とした客層が重視するのは、メルカリなどで2~3年後も売れるブランドかどうか、だけなのだ。
百貨店は売り上げも従業員の給料も上がるはずがないのである。となれば、今後は労働者の需要構造も変わってくる。GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)などの巨大IT企業が多くの従業員を正社員にせず、高賃金でつなぎとめているのは、今が「第4の波」の前半だからである。前述したように「第4の波」の後半になったら、いずれ彼らの仕事の大半はなくなるとわかっているのだ。
すでに銀行をはじめとするかつての就職人気上位企業は、「第3の波」で従来の仕事がなくなって人員削減を余儀なくされ、さらに「第4の波」によってそれが加速している。