トランプ相互関税で進むドル安、代替なき「ドル基軸通貨」体制がもたらす金融市場の不安定化1ドル=145円台に上昇した円相場を示すモニター=4月3日 Photo:JIJI

ついに相互関税政策が発表
ドル安と金価格上昇の反応

 4月2日、トランプ大統領はついに「相互関税政策」を発表した。外国製品への一律10%の関税に加え、対米貿易黒字国を主な対象とした国別の追加関税が課される。日本の追加関税は24%だ。

 トランプ政権の誕生は、様々な意味合いで歴史を画する出来事となるに違いない。経済的な面でも、自由貿易とグローバリゼーションに象徴される一つの時代を終わらせようとしている。

 為替市場では、トランプ政権発足後にドルが下落傾向を示しているが、相互関税の発表によりドル安がさらに進んでいる。その一方で、金価格は高値圏で推移しており、市場はあたかも基軸通貨としてのドルの地位に疑問を呈し始めているようだ。

 通貨の世界におけるドルの覇権はついに終焉を迎えることになるのだろうか。今回はこの点について考えてみたい。