国をリードする政治家になれるかを見極める
新たな人材発掘のシステムを構築すべきだ
一番重要なのは、政治家が人事で官僚を抑え付けないことです。政治にとって大事なのは、官僚の皆さん方にA案、B案、C案を出してもらい、どの政策が良いかを選択することです。
まずいなと思うのは、近年、官邸の意向を重視するあまり、官邸からの指示を待つだけの官僚が増えているという見方があることです。これでは自由な議論もできないし、政策の選択肢が出なくなってしまうことが危惧されます。異論を持っていても、何も言えないのは健全ではありません。
――政治家の公務員に対するパワハラも顕在化しています(詳細は本特集#4『村上総務相が国会議員や兵庫県知事の「パワハラ問題」を斬る!フジテレビ問題とも共通する病根とは?』参照)。そういった問題を起こさず、果敢に政治課題にチャレンジする政治家を、自民党はどのように選抜し、育成するのでしょうか。

人材発掘や教育は、昔はいわゆる「派閥」がやっていました。ところが、政治とカネの問題など、国民を裏切るようなことをして、マスコミからも「派閥が悪い」と批判されて派閥を解消した。それで優秀な人材を集めるシステムが壊れてしまった。
今後どうするかは大きな課題です。例えば、英国の保守党は、有望そうな人をまず党の職員として雇う。それで政策の立案などをさせて人物鑑定をして、これはという人材を保守党が強い選挙区から出馬させます。
――慎重に人物を見極めた方が、党も候補者もお互いに不幸にならずに済みそうです。
その通りです。自民党は今、公募で公認候補を決めているけども、あまりにも短期間で判断せざるを得ず、本当の力が分からない。(政治に不向きな人を)そのまま選挙に出すことになる危険性があります。
やはり1~2年間は党本部で政策立案などをやらせてトレーニングをして、その間に、人物を見極めた方がいい。頭がいい人が、選挙で勝ち続けて党のリーダーになれるかというと、そうとも限りませんから。
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