ポール・ボルガーポール・ボルカー氏 Photo:Scott J. Ferrell/gettyimages

「40年サイクル」の節目に
政策転換のマグマ膨らむ

 日本や欧州の主要国で年物国債金利までがマイナスになっているが、いま金融資本市場の参加者が持つべきは、マクロ経済政策の「40年サイクル」の節目にあるという認識だ。

 歴史を遡れば、1930年代の大恐慌を機に、財政を積極活用するケインズ政策の黄金期が始まり、約40年後の1970年代はマネタリズム・金融政策偏重への潮流に転換した。

 そして現在は、従来の金融偏重からの見直しの動きが起きている。

 2020年は1970年代以来の金融政策偏重・金融拡張トレンドが続くものの、マイナス金利などの「副作用」が無視できなくなっているなか、政策転換へのマグマが膨らんでいる状況だ。

 40年前、1970年代後半に始まったマネタリズムへの転換を印象付けたのは1979年に米国FRB議長に就任し、強力な金融引き締めを行ったポール・ボルカー氏の存在だった。

 そのボルガー氏が昨年、11月に亡くなったことも40年の節目を暗示しているように筆者には思える。