倒産危険度ランキング#消滅危機Photo:erhui1979/gettyimages

コロナ禍が引き金となり、今後大倒産時代が到来する。企業の消滅は雇用を直撃し、地方の存続基盤を揺るがそうとしている。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#2では、市、区などの自治体を対象に、企業消滅危機ランキングを作成して警鐘を鳴らす。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

倒産危険度ワースト1位で
全社員の8割強リストラ

 全社員数130人。6月に、その8割強のリストラに踏み切ったのは外食チェーンのフレンドリー(大阪府)だ。関西で居酒屋やうどん店を営んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが蒸発。全70店のうち41店の閉店も既に打ち出していた。最新版倒産危険度ランキングでは、同社がワースト1位である。

 居酒屋からは撤退し、うどん一本に絞る。社員はわずか20人程度に減る公算だが、同社は「うどん店は1人の店長で複数の店舗を運営できる。事業継続は可能」(中尾武史経営管理部長)としている。

 今回応募した希望退職者については、ファミリーレストランを展開する親会社ジョイフル(大分県)への再就職をあっせんする。だが、「同社側の精査もあり、全員ではない」(中尾氏)。ジョイフルも6月に直営200店の閉鎖を発表するなど余裕がない状況だ。

 労働組合関係者は「外食業界内での再就職は非常に難しい」と不安な気持ちを打ち明ける。コロナ禍が引き金となり、大倒産時代が今後到来する。企業の経営は揺さぶられ、そこで働く雇用者と家族の生活も脅かされようとしている。

 7月に入り、東京都で1日当たりのコロナ感染者数が2カ月ぶりに100人を超えた。感染第2波への懸念が高まっている。外出自粛や移動制限が再び強まれば、外食、旅行、宿泊などを中心に企業の倒産リスクは大きくなる。こういった業種への依存度が高く、雇用や経済基盤が脆弱な地方では特に甚大な影響が必至だ。

 地域の実情を見るために、2019年度に倒産・解散・休廃業した消滅企業のデータから、自治体別「企業消滅危機ランキング」を作成した。早速確認していこう。