三菱重工業
1873(明治6)年3月、「三川商会」を「三菱商会」と改めた。「三菱」は、岩崎家の家紋の三階菱と土佐藩主の山内家の家紋の三つ柏を組み合わせて考案されたといわれるマークの呼称であって、その原型となる三角菱は「九十九商会」時代から保有船の船旗に用いられていたが、「三菱」を商号にも織り込んだことにより、名実共に岩崎弥太郎の事業であることを鮮明にした。この直後、彌太郎が米国留学中の弟、弥之助に宛てた手紙には、ライバル会社との激烈な競争の状況を記し、「過日、九十九の名号を廃し、三ツ川と致候へ共、是は我好まず、この度三菱商会と相改め候。三菱は三菱(三菱のマーク)なり」と結んでいる。このわずかな文章の行間にも彌太郎の事業取組みへの明確な意志と新たな決意をうかがい知ることができる。新社名のなかの「重工業」は「HeavyIndustries」の直訳で、小彌太社長の発案によるものであった。
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第137回
三菱自の益子修会長が突然の退任、気になる三菱商事の関与と今後の行方
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三菱自動車工業を約16年にわたり率いてきた益子修会長が8月7日、退任した。三菱自の益子会長といえば、自動車業界で「もう一人の長期政権の修さん」と呼ばれていたようにスズキの鈴木修会長と並んで“重鎮”だった。

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洋上風力発電・国産化構想の密かな大本命、三菱重工の「あの生産拠点」
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ダイヤモンド編集部では、コロナ不況「耐久力」企業ランキングを独自に作成。経済活動が大幅に縮む「7割経済」下で、脱落する企業と浮上する企業をあぶり出した。今回取り上げるのは、機械業界の186社。再編機運が高まっている建機業界の大手、日立建機がワースト9位に入った。航空機ビジネスと造船ビジネスの業績悪化というダブルパンチに見舞われている重工系メーカーの順位にも注目だ。

#6
ANA 、日産に続く「第3の候補企業」は?公的救済スキームの全貌
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#4
三菱重工スペースジェット、事業縮小どころか「完全手仕舞い」の大ピンチ
ダイヤモンド編集部,新井美江子
三菱重工業傘下の三菱航空機が開発を進める国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」が揺れている。「MRJ」から名称変更し、派生機の開発にも前のめりだった昨年から一変、開発費の大幅削減を決断。航空機の市場投入に不可欠な「型式証明(TC)」と呼ばれる航空当局による“安全に関するお墨付き”を取得するために採用した外国人エキスパートを大量リリースするなど、事業縮小に動く。スペースジェット事業を巡り、社内外に渦巻く「手仕舞い」の危機感を追う。

予告編
コロナ不況「耐久力」で15業種2560社をランキング、意外な脱落企業とは?
ダイヤモンド編集部,浅島亮子
コロナ不況は売り上げ激減という一過性の危機ではなく、全治に長時間を要する大恐慌となりそうだ。超縮小経済の下では、負のレガシーを断ち切る「構造改革」と大胆な「戦略投資」を同時に進められる企業のみが生存を許される。ダイヤモンド編集部では、上場企業2560社を対象に「キャッシュの使い道」や「借入依存度」に着目した独自試算により、大恐慌デスマッチを乗り切れる企業と脱落する企業をあぶり出した。

#21
機械業界・倒産危険度ランキング、9位は名門3重工の一角
ダイヤモンド編集部,竹田孝洋
新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な打撃が避けられない13業種について、それぞれ業種別の倒産危険度ランキングを作成した。今回は機械業界を取り上げる。33社が危険水域に入った。

第134回
三菱自はルノー・日産との3社連合から「決別の道」も検討すべき理由
佃 義夫
2020年3月期に約6700億円の最終赤字を計上した日産自動車の再建の行方が注目されている。この日仏連合に加わった三菱自動車工業がまたも赤字転落の事態となった。三菱自は、この連合の枠組みで果たして生き残れるのだろうか。

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コロナ時代の働き方と採用事情を探るため、主要企業に対して行った独自アンケートの結果について、89社から得た回答を個社ごとに一挙に公開。調査内容は大きく二つ。一つは、在宅勤務制度の整備状況や運用方針、それに伴う人事評価制度などの「コロナ時代の働き方」の実態。もう一つは、今後の新卒・中途採用について、採用予定数の変更の有無と面接方式だ。

#5
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ダイヤモンド編集部,清水理裕
短期資金依存度や人件費負担の増加など9本のランキングで、3メガバンクの大口融資先の危険度を3回にわたり個別に精査する。今回は三菱UFJ銀行がメインバンクの企業100社を取り上げる。

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#4
メガ銀に「新・不良債権」10兆円が殺到!コロナで名門3重工に再編劇迫る
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売り上げが止まり急速に手元流動性が枯渇した企業から、銀行には融資要請が殺到している。メガバンクになるとその額は10兆円規模だ。だが、将来不良債権になる恐れも否定できない。

#03
トヨタ大減産で下請け構造存亡の危機、製造業の雇用がコロナで壊れる
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#02
日本が米インテル・台TSMCを誘致、半導体「国内回帰」の驚愕計画【スクープ】
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経済産業省が世界の大手半導体メーカーの日本誘致を検討していることがダイヤモンド編集部の調べで分かった。コロナショックを受けて、欧米では中国を想定した外資による自国企業の買収防衛策の行使が相次いでいる。日本でも国内半導体部材メーカーの日本回帰を促す目的で、外資誘致プロジェクトを発足させることにしたのだ。米中貿易摩擦と買収リスクを同時に解消するという「ウルトラC」プロジェクトの全貌を明らかにする。

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三菱重工業と日立製作所が、南アフリカでの火力発電所の建設で発生する損失を押し付け合う泥仕合に終止符を打ち、火力発電機器事業の合弁関係を解消する。両社は「円満離婚」を装うが、水面下では電力関連事業で稼ぐ「ラストチャンス」の争奪戦が始まっている。

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空前の液化天然ガス(LNG)船の発注ブームが到来しているというのに、日本の造船業界は現時点で全く盛り上がっていない。それどころか国内の一部造船所では、静かなる造船事業の“店じまい”ムードが高まりつつある。

三菱スペースジェット、100機の商談開始でも事業化に「足りないもの」
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空自F2戦闘機の後継機、「日本主導」の開発が難しい理由
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#4
三菱「御三家」の不協和音、四大問題事案で長兄・重工に異変あり
ダイヤモンド編集部
三菱自動車がリコール隠しに揺れた2004年当時、三菱の御三家はまさに一丸となって同社の再生を支えた。しかし、それから15年たった今、グループの統制力は低下している。

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「三菱スペースジェット」への名称変更など、「三菱リージョナルジェット(MRJ)」として慣れ親しまれてきた三菱航空機のジェット旅客機周辺が騒がしくなっている。事業化に向けた施策が固められ始めている。
