
田坂広志
第18回
ここまで3回の連載では、「仕事の技法」の根幹にある「深層対話の技法」や「深層対話力」の大切さとその実践方法について述べてきた。今回は、深層対話の技法を身につけるための、この連載の「実践的な読み方」について語ろう。

第17回
日々の商談や交渉、会議や会合の後には、必ず「反省」を行い、そこで起こった「深層対話」を振り返ることの大切さについて述べたが、この二つの対話は、ときに矛盾したメッセージや相反するメッセージを発していることがある。「反省」においては、まず、そのことに注意しなければならない。

第16回
世の中の職場を見渡すと、仕事は頑張っているのだが、なぜか、上司や周囲からの評価が高くない、気の毒な人材がいる。なぜ、こうした人材が生まれるのだろうか? そのことを考えるために、どこの職場でも見かけそうな、ある仕事のエピソードを紹介しよう。

第15回
会議や会合、商談や交渉の後の「5分間」を、どう使うかで、そのビジネスパーソンの力量と業績に圧倒的な差がついてしまうのだが、実は、多くの人は、そのことに気がついていない。仮に、そのことに気がついていても、その「5分間」を有効に使う技術や心得、すなわち「仕事の技法」を身につけていない。

第14回
我々の人生において、他人との不和や不信、反目や反発、対立や衝突は、避けられない。本当に大切なことは、生じてしまった不和や不信、反目や反発、対立や衝突の状況から、ときに自らの非を認め、相手に心を開き、自ら謝り、相手を許し、ふたたび「和解」する心の力を持つことであろう。

第13回
前回、「企画書は、表紙で『企み』を語れ」と述べた。では次に、表紙をめくった最初のページでは何を語るのか。そこでは社会や市場や企業において、これから何が起こるのかという、その「予言」を語るべきである。言葉を換えれば、「ビジョン」である。

第12回
「企画書」を書くための「心得」は、何か? 企画」とは「企み」のこと。この「企み」こそが、「企画」というものの命に他ならない。そして「企み」とは「世の中を、より良きものに変える」ということであり、それが面白くないと企画書は面白くならない。

第11回
前回、企画力とは、人間と組織を動かす力のことであり、企画とは、実行されて初めて企画と呼ぶと述べた。では、どのようにして、人間や組織を動かすのか?「最高の企画書」とはどんなものかを考えていこう。端的に言えば「企画力」の真髄とは「物語のアート」である。

第10回
今回のテーマは、世界最大のシンクタンクで学んだ「企画の極意」。「企画力」で、永年仕事をしてきた一人の人間として、筆者自身の体験を交えながら、「企画力」を磨くための心得と技法について話をしよう。

第9回
一流のプロフェッショナルは、それを自覚している、していないにかかわらず、例外なく「多重人格」であることに気がつくだろう。すなわち、一流のプロフェッショナルは、自分の中に「様々な人格」を持ち、仕事において置かれた状況や場面に応じて、「適切な人格」を前に出して対処している。

第8回
一流のプロフェッショナルは、それを自覚している、していないにかかわらず、例外なく「多重人格」であることに気がつくだろう。すなわち、一流のプロフェッショナルは、自分の中に「様々な人格」を持ち、仕事において置かれた状況や場面に応じて、「適切な人格」を前に出して対処している。

第7回
古典を読むとき、多くの古典が語っている「我欲を捨てる」や「私心を去る」といった言葉を、素朴かつ表面的に受け止め、自分の中の「我欲」や「私心」、言葉を換えれば「小さなエゴ(自我)」を、否定し、捨て去ろうとしてしまう。しかし、これは誤解である。我々の心の中の「小さなエゴ」は、捨て去ることはできない。

第6回
世の中では、「人間を磨く」というと、しばしば、「古典を読め」「古典を読んで人間力を身につけよ」と言われるが、なぜ、古典を読んでも、なかなか「人間力」が身につかないのか?

第5回
「企業不祥事」が多発している背景には、「自分一人ぐらいなら、大丈夫だろう」という「小さな無責任」が集まった「巨大な無責任」がある。そんな「集団的無責任状況」事態には、「組織」における「責任」というものの持つ、深刻なパラドックスが潜んでいる。

第4回
ダボス会議は、「世界最高のスピーチ競演の場」とも言えるが、その競演の場においても、衆目一致して「最高の話術を持つ政治家」と評されるのが、トニー・ブレア英国元首相である。彼の「最高の話術」の秘密は「聴く力」だった。なぜ「話す力」の秘密が「聴く力」なのか。

第3回
ドイツ観念論哲学の泰斗、ゲオルク・ヘーゲルは『精神現象学』や『法哲学』などの著作を遺した哲学者である。ヘーゲルの哲学の根幹において語られている一つの法則を理解するだけで、不思議なほど、世の中の変化の方向が見えるようになり、我々の社会の未来が見えるようになる。

第2回
世の中を見渡すと、人間としてみれば、色々な欠点があるのに、人から嫌われない人物がいる。いや、むしろ、人から好かれる人物がいる。非もあり、欠点もあり、未熟さも抱えているのに、周りの人から好かれる人物がいる。なぜ、欠点の多い人間が好かれるのか?

第1回
21世紀には、これまで以上に、技術、商品、サービス、ビジネス、市場、産業、地域、社会など、様々な分野でのイノベーション(変革)を牽引していく人材が求められる。そんな「21世紀の変革リーダー = スーパージェネラリスト」には「7つの知性」が必要となる。
