米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、9月10日に退任した中国のインターネット小売り最大手、アリババグループ創業者で会長を務めた馬雲(ジャック・マー)氏の20年間に渡る起業家人生を振り返ります。また、カリスマから次世代へ引き継がれた同社が直面する課題を探ってみました。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
カリスマがついに引退
今後は慈善活動と教育に注力
9月10日、中国インターネット小売り企業最大手のアリババグループ創業者で会長を務めていた馬雲(ジャック・マー)氏が退任しました。この日は同氏の55歳の誕生日でした。
マー氏は1999年3月、17人の創業メンバーと共に中国浙江省杭州市でアリババグループを創業。翌年、北京でソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と面談し、マー氏の人柄と事業の将来性を見抜いた孫氏が、会って5分で約20億円の出資を決断したという逸話は有名な話です。日本と中国を代表する起業家同士がタッグを組んだ瞬間でした。
その後、中国の経済成長とインターネット環境の急速な発展とともに、文字通り飛ぶ鳥を落とす勢いで成長。2014年には米ニューヨーク証券取引所に上場。現在は時価総額4600億ドル超にまで拡大しています。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」では、そんな稀代の起業家の引退を大きく取り上げています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ジャック・マー氏退任、カリスマ失うアリババ
「中国財界で馬雲(ジャック・マー)氏のような人物は他にはいない。そして、馬氏のような人物が次に登場するまでには、長い月日を要するかもしれない」と、その存在感の大きさを表現しています。