誘導する小型艇
能登半島沖で北朝鮮の漁船と水産庁の漁業取締船「おおくに」が衝突し、海に投げ出された漁船の乗組員を救命いかだまで誘導する小型艇 Photo:JIJI

「日本海は波高し」(政権幹部)──。短期間に日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内で北朝鮮を巡る「厄介な問題」(同)が連続的に発生した。10月2日朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射、島根県沖のEEZ内に落下。さらに7日午前、今度は能登半島沖のEEZ内に侵入していた北朝鮮の漁船と水産庁の漁業取締船「おおくに」が衝突、北朝鮮漁船が沈没した。いずれについても、日本政府は中国・北京の大使館ルートを通じて北朝鮮政府に強く抗議した。しかし現時点で北朝鮮側の反応はない。

 いずれのケースも北朝鮮が従来とは違う動きを見せたのが大きな特徴といえる。ミサイル発射についても米大統領のトランプと北朝鮮の最高指導者、金正恩による米朝首脳会談以後は短距離ミサイルに限定され、トランプもこれを問題視することはなかった。

「彼(金正恩)はミサイル発射実験が好きだ。われわれは短距離ミサイルを決して制限していない」

 このため首相の安倍晋三は一貫してトランプに追随せざるを得なかった。7月の発射の際は夏休み中で、安倍はゴルフを続行した。

「わが国の安全保障に影響を与える事態ではないことを確認している。今後、米国と緊密に連携していく」

 さすがに自民党幹事長の二階俊博は首相官邸に注文を付けた。

「政府は国家安全保障会議(NSC)を開催していない。十分な対応とはいえないのではないか」

 その後もトランプは度重なる北朝鮮のミサイル発射について黙認を続け、安倍も沈黙した。