孫正義氏かねて自社の時価総額が過小評価されていると語ってきたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(写真は2020年2月12日撮影) Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説』。今回は、コロナショックの影響をもろに受け、株価が急落してしまったソフトバンクグループを取り上げます。その対策として同社は、最大4.5兆円の資産を売却する方針を発表。一方、その裏では、救済を約束したウィーワークから手を引こうとしているという報道も。これらの打ち手に対するWSJの評価やいかに。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)

ソフトバンクが4.5兆円の資産売却と
ウィーワークの「リストラ」に着手

 コロナショックは、孫正義氏がかじを取る巨艦ソフトバンクグループ(ソフトバンクG、SBG)を揺さぶる大波となって襲い掛かっています。そしてそのことが、沈没の危機に陥って“救難信号”を送っていた米シェアオフィス大手「ウィーワーク(運営会社はウィーカンパニー)」の命運を大きく左右しています。

 3月23日、ソフトバンクGは最大4.5兆円の資産を売却し、それを原資に自社株買いや負債の返済を行う方針を発表しました。

 巨額のマネーが動きだすことを知らせるこの一大ニュースを、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」も早速報じています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ソフトバンクの大いなる賭け、次は自社株

 これと同時にソフトバンクGが進めているのが、投資先の“リストラ”だとみられます。同記事でも触れているように、「予定していた米シェアオフィス大手ウィーワーク救済策を巡り、SBGが一部を撤回する方針を示唆」しているというのです。

 次の記事が、それについて詳しく報じています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ソフトバンクG、ウィーワーク救済計画で一部撤回か

「ウィーワーク株主に17日送付された通知によると、ソフトバンクは既存のウィーワーク株主から30億ドル(約3200億円)相当の株式を購入するとした取り決めについて、米証券取引委員会(SEC)や米司法省などによる調査を理由にソフトバンクは撤回することが可能だとの考えを示した」。同記事はそう伝えています。

 コロナショックによって自らも難破のリスクに直面したソフトバンクGは、“救難艇”をウィーワークに送る余裕を失ってしまったとみられます。

 コロナショックに端を発する4.5兆円の資産売却とウィーワーク救済の撤回騒動。ソフトバンクGによるこれら二つの打ち手について、WSJはどのように評価しているのでしょうか?