三井と住友。日本を代表する旧財閥系の銀行が合併し、今年20年を迎えた。2001年4月の銀行を皮切りに損保(01年10月)、建設(03年4月)、信託(12年4月)と、三井と住友は一定の分野で融合が進んだが、化学や商社、不動産などでは今も激しく競合する不思議な関係にある。この20年で二大財閥の一体何が変わり、何が変わらないのか。合併の裏でどのような権力闘争が繰り広げられたのか――。特集『三井住友 名門「財閥」の野望』では、10月25日(月)から11月3日(水)までの全18回で、三井住友の知られざる20年秘史を明らかにし、二大財閥の実力を解明する。
#1 10月25日(月)配信
三菱vs三井vs住友、財閥グループ企業の「最新序列」20年分のデータで徹底分析
三菱と三井、そして住友という三大財閥系企業グループの純利益や時価総額など、過去20年間のデータをさかのぼった。見えてきたのは、名門電機が凋落する傍らで商社が存在感を高めていく様子など、財閥系企業グループの序列の変遷だった。
#2 10月25日(月)配信
三井住友FGの取締役を独占、住友が三井を飲み込んだ銀行合併の暗闘
2001年に旧住友銀行と三井系の旧さくら銀行が合併し、誕生した三井住友銀行。合併後の20年は、全く異なる出自と社風を持った旧財閥系銀行同士の「相克」と「融和」の歴史でもある。OBら関係者の証言を基に、銀行が歩んだ知られざる20年の歴史をひもとく。
#3 10月26日(火)配信
三井住友銀行「次期頭取」の本命は?“打倒・三菱”を見据えた激変人事の裏側
三井住友フィナンシャルグループは太田純社長と高島誠頭取という旧住友銀行出身の2トップ体制が誕生し、すでに3年目を迎えている。今後、旧三井銀行出身のトップは現れるのか。人事や注力事業、他メガバンクとの競争などの観点から、三井住友銀行の未来を占う。
#4 10月26日(火)配信
三井物産と住友商事「合併説」の真実味、出自も社風も違いすぎる業界3位と4位の微妙な関係
三井と住友という二大財閥系列の銀行同士が合併した今世紀初頭。商社業界においても、三井物産と住友商事の合併がたびたび取り沙汰された。伊藤忠商事と三菱商事の「2強時代」といわれる今、時価総額で業界3位と4位に甘んじる商社同士の「大合同」は起こり得るのか。
#5 10月27日(水)配信
三井住友FGの國部毅会長が明かす、みずほにならなかった「システム統合」の大英断
みずほと三菱UFJという巨大銀行の誕生に挟まれ、2001年4月に統合した三井住友銀行は当初国内3番手だった。それが今、三菱UFJと2強の座を盤石にしている。8年間グループを率いた三井住友フィナンシャルグループの國部毅会長が、転換点を述懐する。
#6 10月27日(水)配信
東芝は三井・二木会、NECは住友・白水会所属企業…電機大手と財閥「100年の因縁」
旧財閥の名前を冠していないために認知度は低いが、電機メーカーの東芝と日本電気(NEC)はそれぞれ、三井系の二木会と住友系の白水会に参加する有力企業だ。この2社には財閥との「100年の因縁」ともいうべき共通点がある。
#7 10月27日(水)配信
住友化学と三井化学「世紀の大統合」破談の全内幕、白紙撤回の原因となった“序列逆転”とは?
20年前、銀行業界では旧住友銀行と三井系の旧さくら銀行が合併に進んだが、同じ頃に化学業界で検討された住友化学と三井化学の統合は幻に終わった。以降、両社はそれぞれ別の試練に直面し、独自の色を強めている。住友化学と三井化学の独立独歩の20年を追う。
#8 10月28日(木)配信
住友不動産が「モーレツ営業」返上でも、三井不から8年ぶりに業界首位を奪還できた理由
旧住友銀行に並ぶモーレツ社風のイメージが色濃い住友不動産。8年ぶりに三井不動産を最終利益で逆転したが、その背景にあったのはモーレツ営業のおかげでもなかった。三井不動産と住友不動産の違いを整理しながら、住友不動産躍進の要因を探った。
#9 10月28日(木)配信
住友グループ“長兄”に聞く「白水会って必要?」、住友金属鉱山社長の答えは
住友の業祖、蘇我理右衛門が銅製錬と銅細工を開業した1590年を創業年とする住友金属鉱山は、日本の上場企業で指折りの長寿企業だ。現在の住友グループの“長兄”とも称される金属鉱山の野崎明社長に、400年を超えて受け継がれる住友の事業精神を語ってもらった。
#10 10月29日(金)配信
三井住友信託、メガ銀の傘下入りを拒絶し信託同士の統合を選んだ苦節10年の軌跡
銀行統合に遅れること10年。2011年4月に、中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行が経営統合を果たした。メガバンクの軍門に下ることを拒絶し、信託銀行同士で手を取り合って生き抜くことを決意してからの足跡を振り返る。
#11 10月29日(金)配信
三井住友海上、住友が三井を振り向かせた20年前の合併秘話を名誉顧問が明かす
今からちょうど20年前の2001年10月、三井海上火災保険と住友海上火災保険が合併した。実はその直前まで三井海上火災は日本火災海上保険と興亜火災海上保険との3社統合を決めていた。当時、住友海上火災社長だった植村裕之名誉顧問が、三井海上火災を振り向かせた説得の中身と合併秘話を明かした。
#12 10月29日(金)配信
重工業界でも「三井・住友」の融合はある?住友重機社長の答えとは
インドネシアの大型火力発電所の土木建築工事で約1500億円(累計)の損失を計上し、事業再生中の名門、三井E&Sホールディングス(旧三井造船)。自己資本の早急な回復が課題となっているが、同じ重工業界に身を置く住友重機械工業との統合や、三井グループ企業による救済はあり得ないのか。
#13 10月30日(土)配信
住友と三井「生・損保大統合」の分かれ道、強固な役員「たすき掛け人事」の今後とは
旧住友銀行と旧さくら銀行の合併の余波をいち早く受けたのが、同じ金融業界の損保だった。当時の銀行首脳と連携しながら統合を成功させた損保と、袂を分かった生保。運命を分けた違いは何か。保険業界の激動の20年史を振り返る。
#14 10月30日(土)配信
住友化学社長を直撃!「三井化学と統合」の可能性と脱炭素の“目玉ビジネス”
日本が世界に伍せる数少ない業界――。化学業界はその代表格だが、事業範囲の広さが経営の非効率につながる「コングロマリットディスカウント」が問われてきた。だが、思わぬ時代の激変により、その事業体が強みに変わろうとしている。「不作為のロス」撲滅で、住友化学が狙う時価総額向上作戦とは。
#15 10月31日(日)配信
【図解】三井25社のグループ内「序列」大公開!御三家・月曜会幹事・二木会…
三井グループ各社は、三井家について口にすることがほとんどない。三井家の家祖、三井高利の生誕400年を来年に、「越後屋」開業350年を再来年に控えても、ある種ドライな関係を保つ。ただし、三井が群れたがらないのは、根底に流れる三井ならではのある“矜持“も関係していそうだ。
#16 10月31日(日)配信
住友重機社長を質問攻め!造船からの撤退、三井E&Sとの統合、大型買収…答えは?
造船から変減速機、建機に半導体製造装置まで……。製品ラインアップがとてつもなく広範囲な住友重機械工業だが、多角化の根底には、銅山機械の製作・修理で培った共通の信念と技術力があった。では、脱炭素という時代の激変期に同社はどう対応していくのか。下村真司社長に戦略を聞いた。
#17 11月1日(月)配信
住友林業社長が語る脱炭素戦略、100年かけて別子銅山を緑の山にした「SDGs」の英知
住友の源流である別子銅山(愛媛県新居浜市)は明治時代、乱伐や煙害で荒れ果てたはげ山だった。そこから住友は「大造林計画」を実行し、100年かけて緑が生い茂る山に再生させた。その事業を受け継ぐ住友林業には今、脱炭素化の追い風が吹く。光吉敏郎社長に、令和時代の脱炭素戦略について聞いた。
#18 11月3日(水)配信
経団連も全銀協も…「住友・白水会」財界の顔役にズラリ、“住友パワー”の秘密とは?
経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)や関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)ら財界の顔役には、住友グループの企業経営者が目立つ。偶然の巡り合わせといえるが、住友のある特徴も財界席巻の背景にあるようだ。
Key Visual by Noriyo Shinoda