三菱と三井、そして住友という三大財閥系企業グループの純利益や時価総額など、過去20年間のデータをさかのぼった。特集『三井住友 名門「財閥」の野望』(全18回)の#1では、データの分析から見えてきた、名門電機が凋落する傍らで商社が存在感を高めていく様子など、財閥系企業グループの序列の変遷をたどった。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
メガバンク誕生を皮切りに損保や信託銀行で再編
「財閥」の垣根を越えた三井・住友の軌跡
時代の転換点は、20年前の2001年4月に訪れた。旧住友銀行、そして三井系の旧さくら銀行が、「財閥」の垣根を越えて経営統合を果たし、三井住友銀行が誕生したのだ。
それ以来、損保に建設、信託銀行の世界で両財閥の名を冠する企業同士の合併が一気呵成に進んだ。
三井と住友――。創業は戦国・江戸時代にさかのぼる。歴史と伝統では、明治時代に創業した三菱など到底及ばない。日本を代表する財閥系企業集団は、“呉越同舟”と見られた合併を経ての20年間に、どのような足跡を残したのか。
ダイヤモンド編集部では、各グループの社長会に加盟する上場企業を対象に、時価総額や純利益など過去20年分の重要指標を検証した。そこで見えてきたのは、二つの“序列”変動だ。