2021年、皇嗣家が騒動の渦中に巻き込まれた。秋篠宮家の長女、眞子さんと小室圭さんの結婚問題である。だが、皇室制度の将来を揺るがしかねない、より大きな問題が存在する。皇位継承者の不足である。特集『総予測2022』の本稿では、皇室制度に詳しい小田部雄次氏が警鐘を鳴らす。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣)
皇室の重大事件と位置付けられる
眞子さんと小室圭さんの“駆け落ち婚”
――2021年は秋篠宮家の長女、眞子さんと小室圭さんの結婚が、話題の主役となりました。
この結婚は、宮家がお相手の家と姻戚関係にならないイレギュラーな形の結婚です。
この判断は秋篠宮さまが下されたものであり、次期天皇に予定される方の長女が、世にいう「駆け落ち婚」のような状態になったことは、皇室の歴史の中でも重大な事件と言わざるを得ません。
令和の代はともかく、皇位継承問題において最も重要な立場にある皇嗣家が騒動の渦中に巻き込まれたことは、ややもすれば将来の皇室崩壊へとつながりかねないと危惧しています。
――22年中に予想される皇室関連のトピックスには何がありますか。
春には悠仁さまの高校進学が予定されており、進学先としては東京農業大学第一高校、筑波大学附属高校、学習院高等科などが候補として挙がっています。愛子さまの英オックスフォード大学などへの留学も、新型コロナの感染状況次第ですが、あり得るでしょう。
また佳子さまのご結婚、三笠宮家の彬子さまと瑤子さま、高円宮家の承子さまのご結婚あるいは皇籍離脱の動きがあってもおかしくありません。
――女性皇族の結婚によって皇族数の減少が今後予想されています。それを受けて皇室活動を安定的に維持すべく、さまざまな議論がこれまでなされてきました。
そもそも皇室の活動は天皇の国事行為以外は、慣行として積み重ねられてきたものです。例えば、国際親善のための海外訪問、天皇、皇后両陛下の四大行幸啓、被災地慰問などの公的行為についても、憲法にはその規定はありません。
加えて、皇族方は「ご公務」として各種団体のトップなども多く引き受けられていますが、これらが増え過ぎている点は否めません。各種団体側にとって既得権益化している面があります。
このままいけば確かに、皇族方の数が今後さらに減ることになるでしょう。しかし、ご公務への対応のために皇族数を増やすというのは本末転倒であり、ご公務そのものの見直しが先にあっていいのではないでしょうか。
何より重要なのは皇位継承者の不足をどう補うかです。皇位継承権のない宮家や皇族が増えても、現在の皇室制度の問題は解決しません。増加によってかえって、混乱を招く危険性もあります。