サッチャー元首相改革が叫ばれながら沈滞する日本に最も必要なのは国を強い意思で立て直す指導者だ(写真は英国のサッチャー元首相) Photo:Richard Baker/gettyimages

改革進まず「失われた30年」
政治指導者に何が足りないのか

 ウクライナ情勢が緊迫する中、米・バイデン大統領、ロシア・プーチン大統領、仏・マクロン大統領ら各国首脳による軍事衝突回避の折衝が続いている。

 指導者の判断や決断は、かつてのキューバ危機に象徴されるように一国の国益ではなく世界全体の命運を握ると言っても過言ではない。危機や変革のときにこそ政治指導者の資質が局面や歴史を変えていく。

 その意味では筆者が特筆すべき指導者と考えるのが、英国のサッチャー首相、韓国の金大中大統領、ドイツのメルケル首相だ。

 評価はいろいろあるのだろうが、困難にひんした国を強い意思で立て直した。私は外務省時代に首相に随行した際だけでなく、幾度となく個別に話す機会があったが、実際に接してその思いが強い。

 日本は今、選挙に勝つための政治の色合いが濃く、中長期的な課題は「失われた20年、30年」として取り残されたままだが、日本に今こそ求められているのは、課題に強い意思を持って立ち向かうことができる政治指導者だ。

 この3人に見る指導者像が日本に必要とされている。