米中は「政治の季節」で対立先鋭化か、ウクライナ戦争長期化で問われる日本の対応秋には米国では議会中間選挙、中国では共産党大会が予定される。経済悪化は内政を大きく揺さぶりかねず、双方が国内を意識して強硬姿勢を強める可能性があり、ウクライナ問題を含めて米中関係は秋に向けて厳しい局面を迎える(写真はイメージです) Photo:123RF

秋に中間選挙と共産党大会
米中双方が強硬姿勢を取る懸念

 ウクライナ戦争は長期化の可能性がいわれるが、長引くにつれ米中関係の展望をさらに暗くする要素となりつつある。

 米国ではエネルギー価格上昇などによるインフレ圧力が高まり、一方で中国ではゼロコロナ政策による都市封鎖の影響で成長鈍化が目立っているが、秋には米国では議会中間選挙、中国では共産党大会が予定される。

 経済悪化は内政を大きく揺さぶりかねず、双方が国内を意識して強硬姿勢を強める可能性があり、ウクライナ問題を含めて米中関係は秋に向けて厳しい局面を迎えるのだろう。

 折しも来週にはバイデン大統領の初訪日も予定されている。

 日本は米中の対立先鋭化や、中ロの連携強化で世界に分断が進むことがないよう、対応に誤りがないようにしなければならない。

ウクライナ戦争の長期化
中国は米欧の亀裂を予想

 ウクライナ問題で、中国はいくつかの結論を出していると思われる。

 まずは、ロシアの侵略を明確に支持することはしない、同時にG7の経済制裁に同調することやロシアに直接的な軍事支援をして自らの立場を鮮明にすることはしないということだろう。