選別開始!倒産危険度ランキング2022#6Photo:mfto/gettyimages

倒産危険度ランキング総合版の第2弾。多くの企業がコロナ禍で悪化した業績を回復させつつあるが、その格差は大きく、低迷から脱し切れない企業も少なくない。上場企業3935社の倒産危険度を総点検。リスクの高い509社をあぶり出した。特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』(全20回以上)の#6ではワースト101~200を紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

コロナ前の水準を回復できない鉄道会社
有利子負債を膨らませる不動産会社

 2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大は日本経済、日本企業に大きな損失をもたらした。回復の過程にあるとはいえ、企業間の格差は大きい。

 鉄道会社は、コロナ禍で拡大したリモートワークの影響を最も受けた業種といえる。定期券利用者も含めて乗客数はコロナ前の水準を回復していない。それは業績に端的に表れ、倒産危険度に波及する。

 倒産危険度が“危険水域”と判定されたワースト100位以内には、神戸電鉄、JR西日本など4社がランクインした(本特集#1『倒産危険度ランキング2022【ワースト100】ハウステンボス売却のHISが31位、1位は?』参照)。そしてワースト101~200位の間では、鉄道会社はその2倍を超える9社がランクインしている。

 鉄道会社より目立ったのは不動産会社だ。なんと22社も101~200位の間に顔を出したのだ。そして、22社中13社は前年より危険度が悪化した。

 その要因は、減益や赤字転落といった業績の悪化だけではない。賃貸用物件建設や販売不動産購入の資金調達のために有利子負債を膨らませている会社も少なくない。

 有利子負債の増加は倒産危険度を悪化させる。金利上昇が懸念される現在、それは将来の業績の足を引っ張り、同業間の格差が生じる材料となる可能性がある。

 結果として、鉄道会社と不動産会社を合わせると31社になり、101位から200位のうち約3分の1を占めるに至った。

 また、101位から200位の間には継続企業の前提に重要事象等の記載がある会社が11社、継続企業の前提に疑義の注記がある会社が1社ランク入りしている。

 次ページからは、鉄道会社や不動産会社を中心に、ワースト101~200位にランクインした企業の実名と実態を解説していく。