コンサル会社に勤めた人の「ゴール」とは?

 デロイトは、社員3846人中、執行役員が192人もいる(2022年7月時点)。20人に1人の割合だ。この、20人を率いるボスになり、中小企業の社長のごとく、20人をフル稼働させて上納金を得る立場になるのが、コンサル会社での一つのゴールである。

 ただ、「永遠のハードワーカー」となることを求められ、景気にも左右されるため、9割超は途中で転職する。いちばん多いのが、シニアコンサルタント以下で転職するパターン。少しがんばった人はマネージャーになり、シニマネ以上(1500万円~)になるには、やる気も才能も必要、といったところである。

「社内を見渡していると、40代以上で在籍している人は、執行役員(パートナー)中心になってきます。自分としても、その年齢まで、ワークライフバランスを崩して続けられるとも思えません。40代以降も残れる人は少なくなってくるので、コンサル業界に入るなら、『その次』も考慮しておく必要はあるかと思います」(社員)

 このように、PayNow型は30歳前後と早い段階からバラツキが一気に大きくなって、主にハードワークを原因として40代以降も同じ勢いで仕事ができる人は少なく、“滞在寿命”が短い。筆者がコンサル会社にいたときも、普通に20代のマネージャー、30歳前後のシニアマネージャーがいたが、40代以上は少数だった。旧来型の日本企業よりも10~15年はピークが早く、かつ格差が大きい。

(本記事は『「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』の本文を抜粋して、再編集を加えたものです)