今冬に各電力会社が実施する節電プログラムには、各社が独自に上乗せできるポイントがある。そこで旧一電と呼ばれる大手電力9社の還元内容を徹底比較した。特集『新電力 節電地獄』(全11回)の#4では、残酷なほど浮き彫りとなった大手電力の「業界序列」を紹介する。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
大手電力にある
厳格な業界序列
東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、中部電力など、旧一般電気事業者(旧一電)と呼ばれる大手電力9社には、業界団体におけるポジション、電力販売量などにひも付いた厳格な業界序列がある。
東日本大震災前までは東京電力(現東電HD)が押しも押されもせぬ盟主であり、そこに関電と中部電力を加えた3社が不動のトップ3だった。業界では「中3社」と呼ばれる。この中3社に東北電力、九州電力、中国電力が続く形だった。
震災後は東電HDが事実上国有化され、序列は変わった。東電HDは依然上位と業界では認識されているものの、「序列の外」となった。それによって、大手電力の業界団体、電気事業連合会の会長に中3社以外から初めて九電社長が就くなど、業界秩序は混沌としている(9月26日配信『東電「柏崎刈羽原発」立て直しに75歳の中部電元専務を招聘!業界新序列の全貌』に詳細)。
とはいえ、混沌としているのは上位グループのみだ。下位グループとは明確な線引きがある。
実は、家庭や国に節電を促す節電プログラムを見ても、この業界序列は残酷なまでに反映されている。次ページでは、大手電力9社の節電プログラムの還元率によるランキングを公開する。