地震と津波で破壊された能登半島の道路(1月9日撮影) Photo:JIJI地震と津波で破壊された能登半島の道路(1月9日撮影) Photo:JIJI

元日に能登半島地震、翌2日に羽田空港でのJAL機炎上事故と、新年早々大きな災害が相次いだ日本。中国でもその様子は詳しく報じられているが、ネットでは災害を喜ぶような心ない声が目立つ。(日中福祉プランニング代表 王 青)

2024年正月、日本の地震と事故は、
ほぼ時差なく中国でも報じられた

 2024年の年明け早々、災難が相次いだ日本。1月1日の午後、石川県能登地方で最大震度7の大地震が発生した。人々が家族の団らんや新年を祝う喜びは、一瞬にして消し飛んでしまった。10日現在、203人が亡くなり、68人がなお安否不明の状況である。発生から1週間がたった今も被災地では余震が続き、懸命な救援活動が続いている。

 さらに地震発生の翌日、羽田空港に到着したJAL機が海上保安庁の輸送機と衝突し、炎上するという事故が起きた。幸い乗客と乗組員は全員、間一髪で脱出できたが、海上保安庁の職員5人が亡くなった。輸送機は、地震で被害を受けた地域に支援物資を運ぶところだったという。

 この一連の痛ましい出来事は、中国でも、ほぼ日本と同タイミングで速報された。「微博(ウェイボー)」や検索エンジン「百度」など、各SNSのプラットフォームでは軒並みに注目ランキングの1位となったほど、中国の人々の関心が高かった。

 筆者は日本で暮らしているが、1月1日の0時からSNSのWeChatで中国の友人たちから新年のあいさつが続々と届いていた。ところが、夕方になると内容が一変。「大丈夫ですか?すごく大きな地震のようだけど、気を付けてくださいね」「無事にいることを祈ります!」といった安否確認のメッセージが友人たちから殺到した。筆者が住む東京から、今回地震の被害があった北陸地方まではかなり距離があるから大丈夫と言っても、とにかく心配だという。「無事でいる」と報告し、簡単に状況を説明している間も、中国のSNSでは地震や津波の生々しい映像や記事がたくさん出回り、拡散されていたようだ。