米大統領選挙、一般教書演説で事実上のスタート
「トランプ批判」と高齢不安払拭を前面に
3月5日のスーパーチューズデー後、共和党のヘイリー元国連大使が選挙戦から撤退したことで、11月の米国大統領選挙は、「バイデン対トランプ」の2020年の選挙と同様の構図となることが固まった。
バイデン大統領は7日夜(日本時間8日昼)、自身の就任後3回目となる一般教書演説を行ったが、演説は選挙キャンペーンの色彩が強いものになった。
政策面では、ウクライナ支援やロシアへの対抗をはじめ、人工妊娠中絶の権利擁護や気候変動対策の推進など、トランプ前大統領への批判や対立点を強調する一方で、自身の高齢に対する懸念を払拭することに重点が置かれたといっていい。
再選を控える大統領として、民主党内には対立候補が出ていないこともあって予備選でのキャンペーンよりも一般教書演説を本格的な選挙キャンペーンの号砲と、バイデン陣営は位置付けている。
とりわけ、昨年11月には81歳となり、米大統領として、過去最高齢のバイデン氏の場合、ゴールデンタイムに米主要テレビ局が生中継し、全米に放映される一般教書の演説中に、壇上でよろけたり、声が詰まったりすれば致命傷になりかねない。今回は内容よりも、1時間を超える演説をバイデン氏が無事こなせるかどうかに注目が集まった。